公開:2023/12/19
更新:2024/10/28
この記事はデジクリ Advent Calendar 2023 19日目の記事です。
デジクリは芝浦工業大学の創作サークルです。
デジクリについて、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
18日目の記事は16th B型さんの「デジクリVTuber企画の歴史(2021年まで)」です(諸事情により外部公開NGとのことなので部員の方はMattermostから見てください)。
先週、先々週に引き続きまた会いましたね、19th さかと申します。先々週は快活泊について語り、先週は芝浦祭で使用したシフト管理システムについて語りました。今週は僕の趣味で運用しているSNSの話をします。
突然ですが、皆さんはどんなSNSをやっていますか?
僕は主に𝕏Twitterに生息しているのですが、ある時ふと喧騒から離れた落ち着いたSNSが欲しいなあ…と思うことがありました。ちょうどその時Misskeyの鯖が個人でも簡単に建てられることを知り、興味を持ったのでサクッと始めてみる事にしました。
Misskeyとは、syuilo氏が中心となって開発しているマイクロブログプラットフォームです。
MisskeyはTwitterやFacebookなどのような中央集権的なSNSとは違い、ユーザが様々なインスタンス(サーバ)に分散してコミュニティとして存在し、サーバ同士が互いに繋がりあうといった分散型(非中央集権型)SNSという形態をとっています。有名なインスタンスにはMisskey.ioやMisskey.artなどがありますね。(もしかしたらこれを読んでいる人の中にも既に参加している人がいるかもしれませんね)
分散型SNSには他にもMastodonやPleromaといったものがあり、ActivityPubというプロトコル(共通言語)を使うことで異なるインスタンスやプラットフォームとも互いに投稿やリアクションなどを送りあうことができます。
その他詳しくはMisskey公式の説明を読んでください、色々わかりやすく書かれているので…(本当に書く時間が無かったので丸投げします…ごめんなさい…)
まず前提として、MisskeyやMastodonなどのインスタンスは個人が自由に建てることができます。
つまり、最初から自分だけで使う為のインスタンスを建てることもできちゃう訳です。このような自分1人だけしかいないインスタンスのことをよくおひとり様インスタンスと呼んだりします。
おひとり様インスタンスの管理人は建てた人=自分自身ということになるので、インスタンスを自分好みに色々カスタマイズすることができます。
ここからは、私がおひとり様インスタンスを実際に建てて使ってみて「いいな~」と思った事について語っていきます。
まずはカスタム絵文字の話です。
「Misskeyといえば豊富な面白い絵文字!」というイメージの人も少なからず居るんじゃないでしょうか?
一時期Misskey.ioの「レターパックで現金送れ/はすべて詐欺です」や与謝野晶子の絵文字が話題になっていましたしね。
なんとおひとり様インスタンスでは、自分が管理者なので自分の好きなカスタム絵文字を自由に追加することができます。サーバの保存容量の許す限り。
またもし他のMisskeyインスタンスから送られてきたカスタム絵文字の中に欲しいものがあれば、自分のインスタンスにインポートして使うことができます。すごい。
そんな訳で私は自作した絵文字やインポートした絵文字を使って、日々色々投稿したりリアクションを付けたりしています。たのしい。
ちなみに他のMisskeyインスタンスと同様に横長の絵文字やGIFアニメーションの絵文字も使えます。
Twitterや複数人が所属するインスタンスとは違い、おひとり様インスタンスに住み始めた場合は他人との繋がりが完全に無の状態から始まります。インスタンスには自分1人以外誰もいません。ぼっちです。
なので、完全に無の状態から必要に応じて繋がる相手を増やしたり減らしたりしていくことになります。自分だけの最高のTLを構築しよう。
おひとり様インスタンスが繋がりを増やすには主に
の2通りの方法を取ることになります。
まず前者ですが、有志が運営しているリレーサーバにインスタンスを接続し、リレーサーバを中継して投稿を他のインスタンスに配送するという方法です。この方法では不特定多数のインスタンス/ユーザと繋がって投稿やリアクションを送受信することになります。TLが不特定多数の投稿でいっぱいになるので、色んな知らない人の投稿を見たいという人には良いかもしれません。接続するリレーサーバはコントロールパネルからいつでも追加・削除することができます(リレーサーバによっては参加申請が受理されるまで待つ必要があります)。
次に後者ですが、サーバの垣根を越えて特定のユーザをフォローする「リモートフォロー」という機能を使う方法です。この方法では予め目的のユーザのIDとホスト名を調べておく必要がありますが、見たいユーザだけをピンポイントでTLに召喚することができます。「友達・知り合いとだけ繋がりたい」「他のインスタンスにいる推し絵師の絵を自分のTLで見たい」という人には良いかもしれません。
私は「見たい人の投稿だけ見れればいいや~」の勢力なので、後者のリモートフォローのみを利用して友達とゆるめの交換日記的な運用をしています。Twitterでよくある「空リプしまくって関係ない人のTLを汚染してしまう」という心配が要らず、変な投稿も流れて来ないのでストレスフリーでなかなか快適です。
(色の付いた帯がある投稿が他のインスタンスから取得した投稿です、諸事情によりモザイク処理を施しています)
お財布に優しい。これは継続的にインスタンスを運用していく上で嬉しいポイントです。
Misskeyインスタンスを稼働されるには常に起動させておけるサーバが必要なので、多くの場合VPSというサービスを利用して企業が持つサーバの一部を仮想的なマシンとしてレンタルする事になります。
で、サービスを利用するには当然使用料金が掛かる訳ですが、基本的には借りるマシンのスペック(処理性能)が高ければ高いほど料金が高くなるという料金設定になっています。
ユーザが多くいるインスタンスの場合、その人数分の投稿の処理に高いスペックが必要になるため運営者は毎月高い利用料を支払うことになります。
しかし、おひとり様インスタンスの場合は大して高いスペックを必要としないので、マシンをうまく構成してやればVPSの無料枠(ちょっとだけの範囲内だったら無料で使わせてくれるサービス)に収めて、サーバ代ほぼ無料でMisskeyインスタンスを運用することが可能です。
余談ですが、一時期までのMisskeyはおひとり様インスタンスでも無料枠で動かすのが少々難しいくらい重いアプリケーションだったのですが、アップデートで軽量化が行われたためGCPの無料枠でも動かせるくらい軽いアプリケーションになりました。本当に開発者様々です…ありがとうございます…
私はサーバとオブジェクトストレージをGCP(Googleのクラウドサービス)の無料枠で利用しているので、費用は実質ドメイン代(12.85ドル/年)だけです。なぜかネットワーク代で5円くらい追加で取られてるけど誤差。
まあドメインは1個取ってしまえば個人サイトやしょうもないWebアプリの公開など色んなことに使えるので、それにオマケでMisskeyがついてくると思えばどこぞの名前の横に✓が付くプレミアムよりもだいぶお得だと思います。知らんけど。
という訳で私のインスタンスは執筆当時の価格にして1842円/年、月に換算すると約153.5円/月で運用できています。そこら辺のサブスクよりも安いね。
まあざっくりいえばサーバ管理の知識と運営を始める覚悟が必要になります。
自分のおひとり様インスタンスを管理できるのは自分自身だけです。
具体的には、
といったことを自分で行わないといけません。コンピュータやサーバの知識が必要な上にまあ面倒だと思います。そんなにしょっちゅう必要な訳ではないですが。
まあでもサーバの操作練習をするには悪くない環境だと思います。
リレーサーバを利用する場合不特定多数の相手と投稿を送受信することになりますが、稀に不快になるような投稿を流すインスタンス/ユーザと当たってしまう可能性もあります。
嫌だなあ…と思ったら構わずサーバーブロック等の機能を使って見えないようにして自衛しましょう。精神衛生は大事です。
これはおひとり様インスタンスの注意点というより、Misskeyインスタンスを運営する上での注意点です。
Misskeyは仕様上、ドメイン1つにつき1回までしか使えないという制約があります(一度Misskeyに使ったドメインで再度インスタンスを作成することができない)。
また、もしサーバを閉鎖する場合は他のインスタンスから見た時に「閉鎖したんだな」と明示的に分かるようにするために、410番のステータスコード(410 Gone)を返すようにしましょう。
ここまで長々とおひとり様インスタンスはいいぞ、という事について語ってきました。
本当はちゃんと建て方まで書くつもりだったんですが時間が足りなさすぎて書けませんでした…申し訳ない…知人かデの人であればまとまった時間が取れる時に個人的に聞いてもらえれば全然教えるのでVCや部室などで会った時に聞いてください。分かる人は調べればいっぱい建て方の記事が出てくると思うので調べてみてください。
たまにはTwitterの喧騒から離れておひとり様インスタンスでまったり過ごすのも楽しいぞ!Twitterも辞めないけど!インターネット最高!という訳でぜひ皆さんも良いSNSライフを送ってください。
あわよくばインスタンスを爆誕させてください。こわくないよ。
では!
明日の記事は17th みるおさんの「ROS2 in WSL2+Docker でロボット開発に触れてみよう」です。
お楽しみに!